子供の成績アップは「眠り」から!

睡眠社会学の研究で、良質で十分な眠りをとっている子供は、そうでない子供よりも成績がよいことが明らかになっています。

例えば、アメリカのRandazzoらによる10歳代前半の子供を対象にした1998年の調査。言語の創造性や流ちょうさ、新たな概念を学ぶ能力が、眠りを5時間に制限したグループでは、睡眠時間の制限を受けなかったグループよりも低下していたことが明らかにされています。

また、同じくアメリカのWolfson&Carskadonによる高校生を対象にした1998年の調査では、(1)年齢と共に睡眠時間が減るが、これは眠りに就く時刻が遅くなることによってもたらされており、(2)成績下位の生徒は上位の生徒よりも眠りに就く時刻が約40分遅く、総睡眠時間も約25分短いこと、(3)成績が悪くなるにつれ、週末の起床・就床時刻の遅れが大きくなること…が分かっています。

なぜ、睡眠時間と成績とは関係があるのでしょうか。睡眠には「脳と体を生理的に休ませる」と「昼間五感を通じて脳に入った情報や刺激を整理・定着させる」の2つの役割があるからです。脳が疲れ切っていれば十分に機能しません。いくら必死で勉強しても、十分な睡眠がなければ、知識をきちんと定着させにくくなります。

眠っているとき脳は何もしていないのではなく「積極的に休んでいる」のです。これは大人よりも子供にとってより必要とされている機能なのです。