1日の主な活動を終えて食べる夕食は、心豊かに気持ちを開放的にする“楽しみとしての食事”であると同時に、身体的にも大切な意味を持った食事です。
夜間の重要な“体の仕事”である「疲労回復」と「体を成長させたり修復したりする」ための原料となるからです。人間の成長ホルモンは主に夜間の前半に分泌され、眠っている間に、子供の場合は筋肉、骨、血液などの体を作り、大人の場合はそれらを修復してくれる仕組みになっています。成長ホルモンはサーカディアンリズムに従って分泌され、普通の状態では22:00-2:00頃に血液中の濃度が最高になりますので、この時間帯には眠っているのが理想的です。
従って、夕食は朝食、昼食に比べて、タンパク質を多めにするのがポイント。植物性タンパク質(大豆製品など)と動物性タンパク質(肉・魚など)とのバランスが偏らないようにすることと、それらの食材を調理する際に油を使い過ぎないようにすることも大切です。
注意すべきなのは、食べる時間帯が遅くなりすぎないことです。食事と食事の間隔が長すぎると、脳が「飢餓状態」と判断して、取り込んだ栄養素をエネルギーとして使うよりも脂肪としてため込みがちになるのと、疲労回復や体づくりに使われるべきエネルギーが消化のために使われてしまうからです。
特に、就寝直前の食事は夜間睡眠中に消化吸収作業が行われるため、エネルギーとしてほとんど使われることなく体内に蓄えられ、肝臓のグリコーゲンとして貯蔵される限界を超えると、体脂肪になってしまい、肥満やそれに伴う生活習慣病につながりかねません。