時間生物学って何?

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時間生物学(chronobiology)

時間生物学とは生物のリズム現象(自律的な振動現象)を解析し、その機構や適応機能を研究する学問分野で、生命科学と横断的な関わりを持つ。
生物リズム(biological rhythm)のなかでも、特に環境サイクルと似た周期のものを対象とする。

参考:日本時間生物学会HP「時間生物学用語集」

ヒトを含むさまざまな生物には、地球の自転による昼夜の交代に同調できるように、ほぼ24時間の周期で体内の機能を積極的に変化させる時計のような機構が備わっています。
ヒトを例にとっても、体温やホルモン分泌など体の基本的な機能は、光や温度という環境の変化がない条件で安静覚醒を保った状態でも約24時間(より少し長い周期のことが多い)のリズム(サーカディアンリズム、circadian rhythm)を示すことがわかっています。
このような約24時間(≒1日)の周期や約1ヶ月、約1年などの周期で繰り返される自律的な生命現象を研究する学問分野が時間生物学です。

生物と時間の関係は、

  1. 加齢(aging)―不可逆的変化
  2. 周期性(rhythmicity)―可逆的変化
  3. 恒常性(homeostasis)―非変化性

と分類されます。

加齢恒常性といった現象については、古くから大きな研究題材として扱われてきたのに対し、周期性については20世紀後半になってやっとその重要性が認められ始め、研究課題としてとりあげられるようになり、時間生物学という学問分野が生まれました。
それまでは生物の示す周期性は外の環境サイクルによって引き起こされるものだと考えられていました。しかし、20世紀半ばになり、それらが外因性のものではなく内因性のものであるとわかると、活発に研究されるようになりました。そのため、まだまだ解明されていないこともたくさんありますが、遺伝子レベルの研究も進められ、生物リズムの機構は徐々に明らかにされつつあります。

時間生物学の扱う周期性は年から秒の単位にまで広範囲にわたり、対象も単細胞生物からヒトまで多様である上に、その学問分野も臨床医学、基礎医学、薬学、理学、工学、農学、心理学、家政学から社会学に至るまで多彩であり、それらの研究成果が各方面から注目される学際的な学問領域であるといえます。

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