生活習慣との関係は?

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体の中のさまざまなリズム

ヒトの身体の中には現在わかっているだけでも300以上ものサーカディアンリズムが存在しています。
睡眠-覚醒のリズムや体温のリズムを中心とし、自律神経の活動、ホルモン分泌、各臓器の働きや血液中の物質の濃度など、まさに生体機能のほとんどがサーカディアンリズムを示しています。

毎日、昼間に活動して夜間に休息をとるという昼行性の行動リズムをヒトは本来持っていると考えられ、さまざまな生体機能がこの活動と休息のリズムに都合のよい状態になるように、1日のサーカディアンリズム位相関係が保たれています。
1日の明暗サイクルのもとで、深部体温は覚醒する前から上昇し始め、活動期には高温が維持されており、夜間には下降します。また副腎皮質ホルモンであるコルチゾールは朝の覚醒直前ごろに最高値を示し、日中には下降して睡眠中に最低値を示します。

■睡眠-覚醒リズムと体温リズムとの関係

ヒトのサーカディアンリズムが内因性のリズムで、隔離実験のような恒常環境下では、睡眠-覚醒リズムがフリーランすることはすでに述べましたが、そのときの睡眠時間の1回の長さをみると7~15時間とかなりのバラツキがみられます。睡眠-覚醒リズムのフリーランでは30~40時間というきわめて長い周期のリズムが出現する被験者もいますが、そのような場合、ホルモン分泌や体温のリズムが睡眠-覚醒リズムと異なった周期を示す内的脱同調を起こしている状態と考えられます。このとき、睡眠-覚醒のリズムはノンレム睡眠成長ホルモン分泌やカルシウムの排泄リズムなどと強く同調しています。一方、深部体温のリズムは、レム睡眠メラトニン分泌、コルチゾール分泌やナトリウム排泄のリズムと強く同調しており、フリーランをしていても約24時間の周期を大きく外れることはありません。

1回の睡眠持続時間を決定する要因は、直前にどれだけの時間目覚めていたかと考えるのが自然のようですが、それよりも、サーカディアンリズムを繰り返している体温リズムのどの位相体内時計の時刻)で入眠するか、の方が大きな要因であるという研究結果があります(ザイスラー、1980)。その研究では、隔離実験でフリーランしていて内的脱同調状態の時には、最低体温およびその前後2時間に入眠すると、その睡眠の持続時間は約7.8時間であるのに対し、最高体温頃に入眠すると、その持続時間は約14.4時間となり、直前に長く眠っていても、この傾向は変わらないと報告されています。

一方、日常の24時間周期に体温リズムが同調しているときには、体温上昇期は、脳や身体が活動に向けて準備される時期であり、このときに寝入っても、その眠りは浅く、持続時間も短いとされています。一方、これとは逆に、体温が下降する時期は、身体が休むようにセットされる時期にあたり、このときに入眠すると、睡眠が深く、持続時間も長い(日常の平均的な睡眠時間)ことがこれまでの研究によりわかっています。

以上のように、睡眠の長さと体温のサーカディアンリズムとの間には密接な関係があり、体温リズムのどの位相で寝入るかが睡眠の長さを決定する上で、最も重要な因子であることを示唆しています。
また、体温リズムのどの位相で入眠するかは、睡眠の持続時間だけではなく、レム睡眠の量、目覚めやすさ、などとも関係します。そのため、徹夜の後で午前後半から昼間に睡眠をとっても、体温は上昇中なので、その眠りは浅く、目覚めやすく、質的に十分な睡眠をとることができないと考えられます。

また、睡眠-覚醒リズムと体温リズムと、それぞれを代表とする2つのグループに分けられるサーカディアンリズムの間には、カップリングや相互抑制の関係がしばしば成り立ち、レム睡眠ノンレム睡眠のように、一方が活動期のときに一方は休息期であるという組み合わせがあると考えられています。

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