生活習慣との関係は?

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睡眠と覚醒のリズム(活動と休息のリズム)

睡眠と覚醒のリズムに代表される活動-休息リズムは、太古の昔からヒトを含め生物がその特徴を最もよく表していると考えられる基本的なリズムです。

ヒトを時刻の手がかりのない隔離状態においたときに、多くの場合、24時間より少し長い周期でフリーランのリズムを刻むことはすでに何度も述べてきているとおりで、サーカディアンリズムは内因性のリズムです。
特別な社会的制約がなければ、多くの場合、毎日、昼間に活動し、夜間に休息をとるヒトでは、さまざまな生体機能がこの睡眠-覚醒リズムに都合のよい状態になるような1日のサーカディアンリズムが作られています。1日の明暗サイクルに同調して、体温は覚醒する前から上昇し始め、活動期には高温が維持されており、夜間には下降します。また副腎皮質ホルモンであるコルチゾールは朝の覚醒直前ごろに最高値を示し、日中には下降して睡眠中に最低値を示します。

活動と休息のリズムには、約24時間で繰り返す睡眠と覚醒のサーカディアンリズムのほかに、約12時間周期で訪れる眠気のサーカセミディアンリズムや約2時間の周期を持つ昼間の覚醒度のウルトラディアンリズムなどがあり、これらがお互いに影響を与えながら共存してヒトの生活行動を支えています。

睡眠と覚醒はお互いに影響を与えながら繰り返しているので、質の良い睡眠が得られると目覚めがよく、日中も活動的に過ごせ、逆に、日中の活動が睡眠の質に影響を与えています(図1)

● ヒトが眠るしくみ

ヒトは、日中「まとまった時間起きていること」と、「脳が夜の状態になること」とのタイミングが合った時に、脳の中で眠りのスイッチが入ります。そして、脳と身体の休息とメンテナンスをし、起きているときに蓄積された記憶の整理を睡眠中に行うと考えられています。

ひとつめの「まとまった時間起きていること」というのは、ヒトが起きている間に脳で睡眠に関わるさまざまな物質が作られ、脳が「眠る力」としてそれらが蓄えられているからです。睡眠時間が少なかった次の朝には容易に眠れたり、昼寝をしすぎた後には、夜寝付きにくかったりするといった体験からもわかると思います。

次に、「脳が夜の状態になること」。
数日にわたり、断眠をするような実験でも、眠気や疲労度は夜間に最大になり、昼間に最小になるサーカディアンリズムが見られます。さらに11日の断眠を続けた後にも、被験者は14時間の睡眠をとっただけで、それ以後は1日8時間のリズムに戻ったという実験結果や、睡眠-覚醒リズムがフリーランして時として内的脱同調の状態になっている場合でも睡眠時間の長さがそれまでの覚醒時間の長さにはあまり関係ないという結果が得られています。これらのことは、1日の睡眠時間帯や睡眠の維持時間の決定が、それまでの覚醒時間だけでなく、脳の時計の時刻(リズムの位相)にも関係していることの裏づけとなります。
「さまざまな身体のリズム」のページでも述べたように、睡眠-覚醒のリズムと体温のリズムには強い関係性がみられます。

さらに、「ヒトのリズムの特徴」のページで述べたように、睡眠と覚醒のリズムが社会的要素を同調因子としていたり、体温のリズムなどと内的脱同調をおこす場合があったりすることが、ほかの生物とは異なる特徴であると考えられています。
時差ボケは、東西方向に高速で移動した後、脳の時計の時刻と外界の時計の時刻がずれてしまうために起こる、一種の内的脱同調状態と考えられます。

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