問題解決 解析結果
よく昼間に眠気を感じていませんか。
習慣的な睡眠量不足は、睡眠と覚醒のリズムの悪循環の発端となる大きな要因です。睡眠には、心身の疲れを回復させるだけでなく、日中にたまった記憶の整理をおこないます。心身ともに活動的な日中を過ごすためには、質の良い睡眠の必要量を確保することはとても大切だといえます。逆に質の良い睡眠をとるためには、日中活動的に過ごすことが大切です。
睡眠と覚醒のリズムには、約24時間の周期をもつ本体のリズム以外にも約12時間との周期をもつ眠気のリズムがあります。多くの人でお昼の2時ごろに眠気が感じられるのは約12時間の周期をもつリズムが睡眠の方向に傾いているからです。
通常は約24時間のリズムの方が、影響は大きいのですが、睡眠時間が不足していていると、その不足分を補おうとして12時間のリズムがはっきり表れて、昼過ぎの眠気が強くなると考えられています。
また、睡眠の不足だけでなく、午前中や昼間に明るい光の下で過ごす、頭も身体も活発に働かせる、といった脳を活動させる刺激が弱いと、脳が昼間モードになりきれずに、日中に眠気が強くなることがあります。
さらに、活動と休息のリズムが不規則な状態で生活することが続くと、体内時計のリズム自体も乱れ、循環系や代謝のリズムにも影響が及んで、目の下のクマやむくみがひどくなることがあります。
夜間に自分に必要な睡眠の量を確保して約24時間の活動と休息のリズムに昼夜のメリハリをつけましょう。
ここで大切なのは、「睡眠時間が長い=質の良い睡眠がとれている」ではないということです。そもそも必要な睡眠時間というのは、人によってさまざまで、3時間しか眠らなくても日中を元気に過ごせる人がいれば、9時間眠らないと足りないという人もいます。一般にいわれる「8時間睡眠説」は、多くの人の平均をとれば7~8時間くらいになる、ということです。あなたにとって必要な睡眠時間は、「日中の活動に支障がおきない」時間と考えればよいでしょう。
そこで、まずはあなた自身の睡眠習慣を記録してその特徴を知るようにしましょう。やり方は難しくありません。毎日の就床時刻と起床時刻を手帳やノートなどに記録していくだけでいいのです。これを約1ヶ月続けていけば、自分の睡眠パターンがつかめてきます。また、時刻を数字だけでなく、グラフにしてみると規則正しい睡眠習慣が取れているかそうか、朝型か夜型なのかが、わかりやすくなります。最近では、睡眠日誌のテンプレートや自動的に活動と休息のパターンを記録してくれる装置も実用化されています。これらを利用してみるのもいいでしょう。
できれば、就寝や起床の時刻を記録するときに、その日の調子などを書き込んでいくと、自分に必要な睡眠の量がわかるだけでなく、自分の生活習慣についてより多くの情報を得られます。
このようにして、あなたの睡眠と覚醒リズムの特徴を把握してから、改善する方法を考えるのが合理的です。質の良い睡眠をとるためには、
? あなたに必要な睡眠時間を知って、その量に見合った質を確保する
? 毎朝同じ時間に起きて体内時計をリセットする
? 眠りに入る準備に適した室内環境をつくる
ことをポイントとしておさえましょう。