問題解決 解析結果

【原因】

朝起きているのが、辛くないですか。


人は、日中まとまった時間起きていることと、脳が夜の状態になることと、タイミングが合った時に脳の中で眠りのスイッチが入ります。そして、脳と身体の休息をし、起きていたときに蓄積された記憶の整理を睡眠中に行うと考えられています。
しかし、その人に必要な睡眠時間が不足すると、脳や身体の休息が不十分なため、脳はまだ眠ろうとします。つまり、脳はまだ夜の状態のままなので無理に目覚めさせようとすると、脳を昼の状態にするのにより強い刺激が必要で、目覚まし時計の音に気づかなかったり、起き上がって朝の行動を始めるのに時間がかかったりします。また、目を覚ましてからも脳と身体の疲労回復が十分でないため、日中の眠気が強くなったり、元気に動けなかったり、と生活リズムの昼夜のメリハリが小さくなってしまいます。

また、睡眠の量が足りないから、と起床時刻を後らせたり、二度寝したりすると、生活リズムの時間帯が後ろにずれてしまいます。そうすると、次に夜の状態が来るのが後れてしまい、眠るべき時間に眠気がこず、その結果、また朝起きられない、といった悪循環に陥ることになります。

【対策】

睡眠時間を確保し、1日のリズムに規則性をつけましょう。


自分に必要な睡眠時間をきちんと確保することが何よりの解決策ですが、その時間帯と規則性も大切です。「原因」のところにもあるように、いつもと違う時間に眠ったり起きたりすると、生活リズムの規則性が崩れてしまうことがあります。リズムの規則性が崩れてくると、活動と休息のリズムだけではなく、身体のさまざまな機能にも影響が及ぶので注意が必要です。

活動と休息のリズムの規則性を確保するために、朝はできるだけ、同じ時刻に起きるように心がけましょう。睡眠時間が不足しているときはつらいかもしれませんが、朝起き上がって、日中を活動的に過ごすことがその日の夜の質の良い睡眠につながります。

また、朝の覚醒を助ける方法として起床予定時刻の少し前から少しずつ寝室を明るくする工夫をしましょう。この時、カーテンを少し開けるか薄くして、朝の光を取り入れるのもよいですが、それが難しい場合には、朝日の変化を再現できる照明器具が実用化されているので、それを利用する方法もあります。次に、起きたら寝室のカーテンを開け、外の明るさを室内に取り込むようにしましょう。そして朝食を摂ることを忘れずに。日中も、明るいできるだけ明るい場所で過ごすようにしましょう。
もちろん、日中に身体を動かすこと、頭や手先を使うことも脳への刺激となり、質の良い夜の睡眠へとつながります。

しかし多忙で睡眠時間が十分に確保できないときは、寝室環境や就床前の行動に気を配り、できるだけ質の良い睡眠をとるように工夫しましょう。
寝具や寝衣などを自分に合ったものにすることは大切ですが、寝室の環境を日中活動する場所ときっちり区別して、「ここは眠る場所だ」と脳に覚えさせることも大切です。区別するのが難しい場合でも、香りや音楽、照明など、自分なりのルールを作ってみると良いでしょう。

必要な睡眠時間というのは、人によってさまざまなので、自分に必要な睡眠時間を知るために、あなた自身の睡眠習慣を記録してみましょう。毎日の就床時刻と起床時刻を手帳やノートなどに記録していくだけでいいのです。これを約1ヶ月続けていけば、自分の睡眠パターンがつかめてきます。最近では、睡眠日誌のテンプレートや自動的に活動と休息のパターンを記録してくれる装置も実用化されています。これらを利用してみるのもいいでしょう。
できれば、就寝や起床の時刻を記録するときに、その日の調子などを書き込んでいくと、自分に必要な睡眠の量がわかるだけでなく、自分の生活習慣についてより多くの情報を得られます。


質の良い睡眠をとるためには、
? あなたに必要な睡眠時間を知って、その量に見合った質を確保する
? 毎朝同じ時間に起きて体内時計をリセットする
? 眠りに入る準備に適した室内環境をつくる
ことをポイントとしておさえましょう。

また、昼間の眠気が問題になるようなら、昼間の眠気がピークになるより前に、短時間(20分以内)の昼寝をとって夜間の不足を補うという方法も有効だとされています。