問題解決 解析結果

【原因】

入浴をおろそかにしていませんか。


就床前の入浴には、1日の皮膚の汚れをとるだけでなく、冷えの防止、疲労回復の促進、そして、スムーズな入眠を導く作用があります。

睡眠と覚醒のリズムは昼間に覚醒度が上がり、夜になると覚醒度が下がる動きをします。体温のリズムも昼間に最高値を示し、夜にはすっと下がる動きをします。そして、この同じような動きをする二つのリズムは同調しています。入浴によって上がった体温は、ホメオスタシスという習性に従って下がろうとします。そしてそのままくだりのカーブを描き、睡眠と覚醒のリズムもこれにつられて下がります。

しかし、シャワーだけでは、皮膚の血管の拡張が部分的であったり短時間であったりするために、血行促進による加温が十分に行われないことがあります。特に、皮膚の末梢血管の拡張が十分でないために、お湯から取り入れる熱量が少なくなり体の表面だけ熱くなって内部は温まりません。

また、体の内部が温まっていないと、お風呂から出た直後は手足がぬくもった気がしていても、表面が冷めた後に体中心部からの熱の放散がないため、手足は冷えてしまいます。

冷えは全身の血行が阻害された状態を反映していると考えられ、肩こりや頭痛、ひいては生活習慣病の原因になる可能性も含んでいます。
逆に、湯船につかると、体の多くの部分が同時に温められるので、血行の促進がスムーズにおこなわれます。また、体全体から長く熱をとりこむことができるので、体内に取り込む熱量は多くなり、身体が芯から温まるのです。

【対策】

湯船に浸かる習慣を身につけましょう。


できれば湯船につかる習慣をつけるようにしましょう。ぬる目(38~39℃)のお湯にゆっくり(10~20分)つかることが勧められます。

ぬる目のお湯だと長時間つかっていることができるのでじわじわと体の芯から温まることができます。しかし、熱いお湯は就寝前には厳禁です。体中心部の温度が上がりすぎてしまい、寝つきに影響を与えます。また、一度にたくさんの熱を吸収するとのぼせの原因にもなります。ぬる目のお湯でバスタイムを楽しむ工夫や、お湯につかりながらマッサージや軽いストレッチをして決行を促進させましょう。
入浴の時間は就寝の1時間くらい前にとるとよりスムーズな入眠をむかえられます。どうしても熱いお湯がいいという人は就寝の1~2時間前は避けましょう。

しかし、ゆっくりお風呂につかっている時間がないときや全身浴がなんとなくしんどいときは、シャワーだけではなく、足浴や手浴をプラスしてみましょう。

足浴:<足浴の方法>
くるぶしまですっぽり足の入る洗面器やバケツを用意します。熱めのお湯(入浴よりやや高めの温度)を洗面器やバケツに注ぎ、足を15分位浸します。冬場は、すぐにお湯がぬるくなってしまいますので、熱湯を足しながら行います。また、足とバケツを覆うようにしてバスタオルをかけたり、バケツの中で足の指を「グッパッグッパッ」と閉じたり開いたりするとより効果的です。
足浴では、体温や心拍数は大して変わりません。しかし、温熱により足の血管が拡張して末の梢循環がよくなり、足先で温められた血液が全身をめぐるので身体の内部を温めるのに役立ちます。足先は体の中でも血流量の比較的多い場所ですので、全身浴とまではいかないまでもある程度の温熱効果が期待できます。

手浴:<手浴の方法>
手首まで浸かる洗面器やボウルに、熱めのお湯(入浴時よりやや高めの温度)を注ぎ、手を10分位浸します。手の平や指のマッサージをしたり、好みで精油を使ったりするのもよいでしょう。精油を混ぜる場合は、1~3滴落としてよくかき混ぜてください。その時々の自分に合った香りを楽しむことは、自律神経の働きを介して血行促進を助ける可能性があります。

足浴も手浴も、途中でお湯がぬるくなったときには、熱めのお湯を注ぎ足してください。また、足浴に役立つ器具も実用化されていて、保温機能があれば、お湯を足す手間がいらず、便利です。