問題解決 解析結果

【原因】

朝起きて朝食をしっかりとっていますか。


「朝起きるのがつらくて、ぎりぎりまで寝ている」、「朝食を食べる時間がない」という人が近年増えてきています。平成16年の国民栄養調査では、朝食の欠食率は、平成11年以降、全体的に男女とも増加しており、特に男女とも20歳代で最も高く、男性で約3割、女性で約2割となっています。さらに、20歳代の一人世帯に限った朝食の欠食率は、男性で約7割、女性で約3割にものぼります。
「ちょっと気を抜くと生活が夜型になって、朝起きられなくなる。そして朝食の時間帯が遅くなってしまう」…大人の不眠だけでなく、子供たちの不登校の原因にもなっているのがこのパターンです。夜型生活の進んだ現代社会に多い悩みだといえます。

では、何故、「ちょっと気を抜くと」朝起きられなくなるのでしょう。それは、人の持つサーカディアンリズムにあります。人は放っておくと体の一日が24時間より長めになることが、外部と遮断した場所での生活実験などで確認されています。日常において24時間の生活に適応しているのは、毎朝太陽の光を浴びたり、食事を含めて毎朝の習慣として認識している行動をとったりすることで、体内の生物時計をリセットしているからなのです。しかし、朝に暗いところで過ごしたり、すぐに朝食を摂らずにボーっとしたりしていると、リセットがうまくいかず、24時間より少し長い体の1日が私たちの生活を夜型生活にしてしまいます。

朝食を摂る時間帯が遅いと、自動的に昼食までの時間も短くなります。そうすると、本来昼食までに消費されているであろうエネルギーが消費されきれず、空腹を感じないこともあります。また、朝から多くを食べ過ぎてしまっても、消費に多くのエネルギーがまわされてしまいます。しかし、朝ごはんを摂らない、減らすということは、午前中の活動に影響を与えます。睡眠中には、大脳の機能物質(GABA、GABOB、アセチルコリン、エンドルフィンなど)がつくられ、大脳皮質などの神経細胞に蓄積されています。起床後にも生成は続きますが、消費される量の方が多くなります。つまり、朝起きたときが一日の中で一番多く機能物質がたまっているということになるのです。
しかし、起きたばかりの大脳はまだ十分に働ける状態になっていません。朝食で糖分を摂り、しっかり大脳で使うブドウ糖を補給して、大脳を働ける状態に持っていくことが必要です。

【対策】

毎朝、規則正しく起きましょう。


朝規則的に起きられる習慣をつくることからはじめましょう。
睡眠時間は、人によって適正な時刻が違います。また、夜に遅く寝たからといって、「今日はもう少し寝よう」といつもより遅い時刻まで寝てしまうと、体の中の睡眠と覚醒のリズムがくるってしまいます。「睡眠時間が足りないな」と思うときは、朝の起床時刻をずらすのではなく、次の夜の就寝時刻を早めましょう。毎朝規則正しく起きることでリズムの位相(体内時計の時刻)が安定します。
さらに、起きたら明るい光を浴びるようにしましょう。朝の光は体内時計をリセットし、1日の始まりを告げます。光を浴びて脳をしっかり覚醒させることでリズムのメリハリもつきます。

そして、朝にきちんと朝食をとるということは、内臓のリズムを脳の時計に合わせる役割と顎を動かすことで脳への刺激を与えて脳を起こす役割と、昼までの活動用のエネルギーを補給するという役割とを持っているので決して抜くなどということはしないようにしましょう。理想としては、糖分の多い果物や野菜と水分をしっかり摂ることです。
また、朝食を摂ると、胃腸が刺激されて便意が起こり、朝の規則的な排便リズムを習慣づけることにも役立ちます。