問題解決 解析結果
起床時間を遅らせていませんか。
睡眠時間が不足しているからといって、就寝時刻を早めずに、起床時刻を遅らせたりしていませんか。
質の良い睡眠をとるには、毎日の睡眠時間の合計をあわせることよりも、睡眠と覚醒のリズムの規則性を保つことの方が大切なのです。この時に、眠りに入るタイミングを自分の意思でコントロールできないので、毎朝同じ時刻に起きることのほうがコントロールしやすいのです。人は、朝起きて、光や社会的な約束事などの刺激を受けることで体内時計をリセットし、脳が一日の始まりを認識します。このリセット作業を毎日同じ時刻にすることで、睡眠と覚醒のリズムで規則的にメリハリよく刻めるようになります。そうすると夜間も早く眠れるようになったり、日中活動的に過ごせるようになったりしますので、昼間の眠気も改善されます。
しかし、起床時刻がばらばらだと、生活リズム全体の規則性が弱くなり、体内時計に悪影響を与えます。体内時計が乱れると、睡眠と覚醒のリズムだけでなく、体温や自律神経をはじめ、さまざまな生理機能にも影響を与え、仕事中のやる気が低下したり、眠気が強くなったりします。
自分の睡眠を把握しよう。
まずは自分に必要な睡眠時間を知るために、あなた自身の睡眠習慣を記録してみましょう。やり方は難しくありません。毎日の就床時刻と起床時刻を手帳やノートなどに記録していくだけでいいのです。これを約1ヶ月続けていけば、自分の睡眠パターンがつかめてきます。また、時刻を数字だけでなく、グラフにしてみると規則正しい睡眠習慣が取れているかそうか、朝型か夜型なのかが、わかりやすくなります。最近では、睡眠日誌のテンプレートや自動的に活動と休息のパターンを記録してくれる装置も実用化されています。これらを利用してみるのもいいでしょう。
できれば、就寝や起床の時刻を記録するときに、その日の調子などを書き込んでいくと、自分に必要な睡眠の量がわかるだけでなく、自分の生活習慣についてより多くの情報を得られます。
自分の睡眠と覚醒のパターンがある程度把握できたら、休日と平日の睡眠時間の差がだいたい同じくらいになっているのかどうか、注意してみてください。
起床時刻に制限のない休日には、長く眠ることができます。よく「寝だめ」をするという人もいますが、実は「寝だめ」はできません。休日の睡眠時間の延長は「睡眠負債」を返しているにすぎないのです。ですから、休日につい長く眠ってしまうという人は、平日の睡眠時間が不足している可能性があります。
それでも、平日に睡眠時間を確保するのは難しい場合には、夜間の睡眠の質を上げる工夫をすることや夜間の睡眠量の不足を昼間に少し補うことが助けになります。
まず、睡眠の質を上げる工夫としては、睡眠をとる環境やとる前の行動に気を配りましょう。環境要素には、寝具や寝衣、寝室のインテリアや香り、照明などがあります。これらはある程度の目安として定番のようなものがありますが、個人の習慣や好みが大きく影響することがあるので、自分がなじめる環境をつくる、ということがまず大切です。睡眠前の行動としては、激しい運動をしない、熱すぎるお風呂に入らない、明るすぎる環境で長時間過ごさない、など、覚醒方向の刺激となる行動を避けるようにし、睡眠に向かう心と身体の準備を整えるようにしましょう。
次に、どうしても昼間の眠気が取れないというときは、午後3時までに20分程度の短時間の昼寝やうたた寝をとることが助けになります。この場合、深い睡眠に入る前に起きることが大切ですので、寝転んでしまうのではなく、背もたれのある椅子にもたれかかって眠りましょう。また、昼寝前にカフェインを含んだ飲み物を取っておくと、カフェインが20~30分後に効いてきますので、スッキリと目覚めることができます。
質の良い睡眠をとるためには、
? あなたに必要な睡眠時間を知って、その量に見合った質を確保する
? 毎朝同じ時間に起きて体内時計をリセットする
? 眠りに入る準備に適した室内環境をつくる
ことをポイントとしておさえましょう。
全部を満たすことが難しくても、ひとつでもいいので実践していくことをこころがけてください。