問題解決 解析結果
夜中心の生活になっていませんか。
人間の一日のリズムは体内の生物時計のしくみによって規則的に動かされ、時刻の手がかりのない環境では、多くの場合24時間より長めの周期となります。これは、外部から遮断された場所での生活実験などで確認されています。日常生活では、朝に体内時計をリセットすることで24時間の生活に時計を合わせているのですが、不規則な生活をしているとこの毎朝のリセット作業ができず、どんどん体内時計の時間が後れていってしまうのです。
さらに、最近は社会の環境も人を夜型にしやすいものになっていきました。24時間化が進み、自然界の夜ではありえないような明るい場所で夜中過ごす機会が増えています。夜中に明るい光が長時間目に入ると、覚醒方向の刺激としてはたらき、夜の自然な眠りを妨げます。
そして、体内時計の時刻が後れてくると、本来目覚めるはず時間帯に脳や身体が夜の状態で、起きられない、起きてもしっかり覚醒できない、といった問題が出ます。それ以外にもサーカディアンリズムが乱れることは、自律神経のバランスやホルモン分泌にも影響します。食欲、体温調整、肩凝り、むくみ、肌荒れなど、身体のさまざまな問題の原因となりえるのです。
また、体内時計の時間が後れているということは、朝起きられないだけでなく、夜眠るべき時間にも眠たくならずに、さらに夜型生活をしてしまう、という悪循環をもうみだします。
規則正しい起床を心掛けましょう。
まずは、自分の睡眠と覚醒のリズムを把握することから始めましょう。睡眠日誌をつける、という方法があります。原則起床時刻と就床時刻を約1ヶ月記録して、グラフにすれば、自分のリズムを目で見ることができ、リズムをつかみやすくなります。
自分のリズムが把握できたら、起床時刻をそろえることからチャレンジしましょう。きちんと起きることもはじめはつらいかもしれません。そこで、「光」と「朝の約束事」の力を借りましょう。「光」には脳を目覚めさせる作用があります。寝室に朝日が入るようにしておき、少しずつ明るくなれば「深い眠り」から「浅い眠り」へ無理なく導かれ、スムーズに目覚められます。さらに、目覚めた直後に明るい光を目に入れると、体内時計がきちんとリセットされ、日中を元気に過ごす脳の準備ができます。
次に脳を目覚めさせる作用があるのは「朝の約束事」です。あなたが「ああ、朝だ」と思える社会的な約束事を習慣付けてください。たとえば、朝食をとることやトイレに向かうこと。これらは、脳の活動レベルやホルモン分泌を朝モードに切り替えてくれます。特に朝食は、睡眠中に脳で作られた機能物質を使うためにも必要です。糖分を中心に少しでも摂るようにしましょう。水やスープなど水分をたくさんとることも胃と腸に刺激を与え、トイレのリズムを作ることに影響するのでおすすめです。
ほかにも軽いストレッチや熱めのシャワーを浴びることも効果的です。身体が刺激を受けることでリズムの昼夜のメリハリがつき、日中も元気よく過ごすことができます。
また、日中にもしっかりと考え、体を動かすことはリズムのメリハリを大きくすることに役立ちます。そして夕方以降は、明るすぎる光や激しい活動を避け、就寝に向けて1日がんばった心と身体をリラックスさせてください。
特に、体内時計が遅れている場合には、夜早く眠ることもなかなか難しいことがあります。そんなときは就床前に過ごす部屋や寝室の環境を整えたり、軽いストレッチやマッサージを行ったりして睡眠にむかう心と身体の準備をしてください。そして、少しずつ眠る時刻を早め、睡眠時間を確保していってください。
適正な睡眠時間も個人によって違います。理想的な目安としては、日中に強い眠気がなく、休日などの起床時刻の制限の無いときにも普段と同じくらいの時刻に起きられることです。