問題解決 解析結果

【原因】

疲れが取れにくいと感じていませんか。


自分に必要な睡眠時間が不足すると、睡眠によって回復するべき疲れがとりきれないだけでなく、日中に使った記憶の整理もきちんとできずに昼間の仕事や勉強の能率が下がることが考えられます。
また、生活のリズムにメリハリをつけ、健康的に過ごすためには、睡眠はその時間量だけでなく、質も大切になります。そして、質の良い睡眠をとるためには、日中元気良く過ごすことも必要です。
睡眠時間が不足していて前日の疲れがとれていないと、日中の活動にも影響し、さらにそれがその日の睡眠の質にも影響する、という悪循環に陥ってしまいます。この悪循環は睡眠と覚醒のリズムが弱くなるだけでなく、体温、自律神経、ホルモン分泌などさまざまな生理機能のリズムにも悪影響を与え、リズム全体のメリハリを弱めたり、さまざまなリズムがバラバラになったりします。結果として、代謝が悪く、朝から疲れを感じることになったり、リンパの流れが悪くて、むくみがあったり、と身体のさまざまな問題点の原因となります。

【対策】

生活リズムにメリハリをつけましょう。


当たり前のころのようですが、基本は、自分に必要な睡眠時間を何とかして確保することです。このときに睡眠と覚醒のリズムの規則性が大切になります。
日中にしっかり活動した分、睡眠もしっかりととって生活のリズムにメリハリをつけることが何よりの基本です。日中だらだらと過ごすことは睡眠の質の低下につながりますので、朝はできるだけ毎日同じ時刻に起きて、朝の光と朝ごはんで体内時計をリセットし1日を元気良くスタートさせましょう。
「日中は元気良く過ごし、睡眠はしっかりとる。」この両方が大切です。

ところが、現実にはこの一見当たり前のことを実行するのが難しいことが多々あります。多忙で、睡眠時間を確保するのが厳しいときは、せめて睡眠をとる環境を整えて、睡眠の質を上げる工夫をしてください。寝具や寝衣などを自分に合ったものにすることは大切ですが、寝室の環境を日中活動する場所ときっちり区別して、「ここは眠る場所だ」と脳に覚えさせることも大切です。区別するのが難しい場合でも、香りや音楽、照明など、自分なりのルールを作ってみると良いでしょう。

必要な睡眠時間というのは、人によってさまざまで、3時間しか眠らなくても日中を元気に過ごせる人がいれば、9時間眠らないと足りないという人もいます。一般にいわれる「8時間睡眠説」は、多くの人の平均をとれば7~8時間くらいになる、ということです。
眠りは前もってためることはできません。疲れがたまってくると、回復させようと脳は眠ろうとします。休日など、起床時刻に制限のないときにいつもより長く眠ってしまったり、日中に強い眠気を感じたりしているときは、脳が足りない眠りを欲しているサインです。
自分に必要な睡眠時間を知るために、あなた自身の睡眠習慣を記録してみましょう。やり方は難しくありません。毎日の就床時刻と起床時刻を手帳やノートなどに記録していくだけでいいのです。これを約1ヶ月続けていけば、自分の睡眠パターンがつかめてきます。また、時刻を数字だけでなく、グラフにしてみると規則正しい睡眠習慣が取れているかそうか、朝型か夜型なのかが、わかりやすくなります。最近では、睡眠日誌のテンプレートや自動的に活動と休息のパターンを記録してくれる装置も実用化されています。これらを利用してみるのもいいでしょう。
できれば、就寝や起床の時刻を記録するときに、その日の調子などを書き込んでいくと、自分に必要な睡眠の量がわかるだけでなく、自分の生活習慣についてより多くの情報を得られます。

ここで、睡眠時間を確保するために、朝遅くまで眠るよりは、夜早く眠りに入れるようにしたほうが、疲労回復には効果的だとされています。身体の疲れを回復させる成長ホルモンは真夜中頃に多く分泌されますが、この時間帯に起きていると、成長ホルモンの分泌が抑制されてしまうのです。朝の覚醒を助ける方法としては、光が脳を覚醒させる作用を利用するのが生理的に有効であるとされています。まず、起床予定時刻の少し前から少しずつ寝室を明るくする工夫をします。この時、カーテンを少し開けるか薄くして、朝の光を取り入れるのもよいですが、それが難しい場合には、朝日の変化を再現できる照明器具が実用化されているので、それを利用する方法もあります。

質の良い睡眠をとるためには、
? あなたに必要な睡眠時間を知って、その量に見合った質を確保する
? 毎朝同じ時間に起きて体内時計をリセットする
? 眠りに入る準備に適した室内環境をつくる
ことをポイントとしておさえましょう。
全部を満たすことが難しくても、ひとつでもいいので実践していくことをこころがけてください。
ここで、昼間の眠気が問題になるようなら、昼間の眠気がピークになるより前に、短時間(20分以内)の昼寝をとって夜間の不足を補うという方法も有効だとされています。