問題解決 解析結果
歩くなど持久的な運動習慣がないため、体の循環機能が弱くなっているかもしれません。
「健康の維持には体力が必要だ」ということは、一般に広く言われていることですが、「体力」といっても、「行動のための体力」と「防衛のための体力」があります。
持久的な運動習慣によって鍛えられる「体力」は、「行動のための体力」のうちの全身持久力であると同時に「防衛のための体力」の土台になります。
全身持久力は、行動体力の中でも、行動を維持させる、健康にはとても重要な体力であるといえます。持久力が低下すると、呼吸や血液循環などのする酸素運搬能力が低下します。酸素を運搬する能力が低いということは、血行不良になりやすく、循環機能が不調に陥りやすい状態であると考えられます。
その結果、階段の上り下りをつらいと感じたり、ちょっと歩くのもおっくうになったりという行動体力の衰えだけでない身体の様々な箇所の凝りや冷え、むくみ、動悸、便秘など身体のさまざまな問題点の原因になります。
持久的に運動するには、何か目的を見つけることが重要です。
全身持久力を向上させるためには、運動量を少しずつ増やしていくことが基本的に大切です。
運動の種類としては、ウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクスなどが持久力を向上させるのに適しています。しかし、普段運動をまったくしない人が急にトレーニングを始めるには無理があります。まずは脚部や腹筋などの基礎的な筋力を回復させるために軽く歩いてみることからはじめましょう。このとき、呼吸しながらストレッチを十分に行うことも大切です。
その後に、少しずつ運動量を増やしてウォーキングなどの全身持久力を高める運動を習慣づけ、循環機能を鍛えましょう。タクシーワンメーター(約2Km)分の距離を20分間位続けて歩けるようになることを始めの目標にするのがよいと考えられます。
ウォーキングの効果
ウォーキングしている間、血圧が高くなります。
ふくらはぎの筋肉は「第2の心臓」といわれ、この筋肉が収縮を繰り返すことによって、血液の滞りやすい下半身の血行がよくなり、その結果、全身の血液の流れがよくなります。
血液は心臓のポンプ作用によって全身に送り出されます。心臓から遠くにある脚では、ふくらはぎの筋肉が収縮し、血管を押したり緩めたりすることによって、血液を心臓に押し戻しています。まさにふくらはぎが第2のポンプの役目を果たしているのです。
ウォーキングを始めるときのポイント
1. 時間帯に注意する
早朝は身体を落ち着いた状態にする副交感神経から体を活動させる交感神経に切り替わる時間帯で、血圧が不安定になりやすいので、早朝のウォーキングは避けてください。また、朝起きた直後は、眠っている間の水分補給がないので、血液の粘性が高くなっていて、その状態で急激に身体を動かすことは、血管が詰まりやすくなったりして危険であると考えられています。できれば、血圧が安定する午前10時以降に歩くようにするとよいでしょう。どうしても早朝にしか時間がとれないという場合には、水分と朝食(炭水化物)を摂ってから歩くようにしてください。
また就寝直前の運動は、睡眠にむけて準備している身体の邪魔をしてしまいます。少し汗をかく程度の運動でも夕方から宵の口までにすることにして、就寝の2時間くらい前からはゆっくりと過ごしましょう。
2. 週に3日以上歩く
ウォーキングの運動効果は2~3日しか続かないからです。一度に歩く時間は、30分くらいから始めて少しずつ増やしていくのがよいでしょう。30分くらいずつ、数回に分けてもかまいません。まず、1日に1万歩を目標にしましょう。歩いた時間や距離を記録していくと励みになります。
3. 水分補給はこまめにする
ウォーキングをして汗をかいたときには、こまめに水分を補給しましょう。汗をかいて、水分補給しないままでは血液が濃くなってしまいます。
その他、歩くのに適したシューズやウェアを選ぶこと、歩くときの姿勢をよくすること、などが注意点です。ただ歩くだけでは面白くないという場合には、仲間と話をしながら、あるいは一人でも自然や街の景色の変化を感じたりしながら歩いてみてください。音楽を聴きながらという方法もありますが、交通安全には十分注意してください。