問題解決 解析結果

【原因】

日頃、筋肉を鍛えるような運動をしていますか。


「健康のためには運動をした方がいい」、「健康の維持には体力が必要だ」ということは、広くいわれています。しかし、「運動」や「体力」といっても、それぞれに目的があります。

「運動」においてもスポーツのために体を鍛えるという「運動」もあれば、生活習慣病を予防しようという「運動」もあって、その目的も違いますし、運動の仕方も違ってきます。
そして「体力」。体力にも「行動のための体力」と「防衛のための体力」があります。
身体の中の筋肉には、自分の意思で動かすことの出来る骨格筋と、自分の意思に関係なく常に収縮を繰り返して生命を維持する平滑筋(内臓や血管を構成する)・心筋(心臓を構成する)とがあります。

筋肉の衰えは、
1. 筋の収縮力によって行動を起こす力
2. 筋持久力によって行動を持続させる力
3. 敏捷性や平行性、柔軟性によって行動を調整する力
という「行動のための体力」の全ての衰えに関わってきます。したがって、階段の上り下りや乗り物で立っていることを辛いと感じたら、筋肉が衰えたサインのひとつだと思ってください。ちょっとした段差でつまづいたり転んだりすることもあります。

筋肉は使わなければ衰えていくものです。筋肉が衰えると、「行動のための体力」だけでなく基礎代謝量も低下し、消費エネルギーが少なくなって脂肪として蓄積されやすくなる、内臓脂肪が増えるなどといったことの原因になります。さらには、骨の成分であるカルシウムが溶け出して骨がもろくなり骨折しやすくなる、立っていることがつらくなる、のどの筋肉や舌の内部に脂肪が増えることによっていびきをかきやすくなったりもします。また、身体を動かさないでいると、血行が不良となり、首や肩の凝り、手足の冷え、むくみなどの問題点が出やすくなります。

【対策】

適度な運動で、健康な身体を作ろう。


筋肉を意識して使う運動は、朝早くや夜遅くを避け、日中から夕方、遅くとも夜就寝の2,3時間前までに行いましょう。朝は交感神経と副交感神経のリズムが入れ替わる時間帯で血圧が不安定です。夜遅くに強めの運動をおこなうと、交感神経が刺激され、脳への覚醒方向の刺激になってしまいます。
健康のために適度な運動をおこなうことは、精神的緊張を解きほぐすことや、昼夜のメリハリをつけ、夜の睡眠の質を向上させることにも役立ちます。逆に、効果的に筋肉を鍛えるために、質の良い睡眠をとって、筋肉の疲労回復を促進させることが必要です。

運動にも、筋力をつけるもの、持久力をつけるもの、柔軟性をつけるものがありますが、シェイプアップやイビキ軽減、新陳代謝機能の向上のためには、目的に合った筋肉を鍛える運動をする必要があります。ダンベル運動などが効果的です。
このときに大切なことはいきなり強度をあげない(ウェイトを重くしすぎない)ことです。徐々に身体をならしていきましょう。ウエイトトレーニングの強度や回数の目安としては、一生懸命取り組んで10~30回程度しか取り組めない強度のものを、その半分の回数で適度に休息をはさみながら1日3セット。これを週に3回実施することです。筋力が付いてきて慣れ出したらその強度を徐々にあげていくのもよいでしょう。
ウエイトトレーニングと並行して、持久力を高める運動を行うとなお効果的です。持久力をつけるための運動には、ウォーキングや水泳、エアロビクスなどがあります。
また、運動をするときは、必ずはじめにストレッチをおこない、筋肉をほぐすことからはじめてください。このときもいきなりきついストレッチをおこなうと、筋肉がおどろいてしまいます。呼吸をしながらゆっくり筋肉を伸ばしてください。

日常生活の中で、特にダンベルなどの器具を使わなくても、ちょっとした動作の工夫で筋肉のトレーニングをすることは可能です。たとえば、家事の動作の途中にスクワット(腰を引いてひざを曲げる)やつま先立ちを取り入れるとか、オフィスで椅子に座って、静止状態で手や足に力を加える(アイソメトリック)などの方法があります。

運動によって激しく消費された筋肉の回復をはかるにはタンパク質やアミノ酸の補給を運動とうまく組み合わせることが効果的です。タンパク質は、アミノ酸に分解され、筋肉やホルモン、コラーゲンなどの体蛋白質の合成に使われます。ただし、タンパク質のとりすぎも脂肪のもとになってしまいます。目安として、運動の1~2時間前(消化吸収時間を考慮)、運動後30分後くらいまで、就寝の2時間前(睡眠中には成長ホルモンの分泌が活発になるため、タンパク質合成が活発になるので)くらいに摂ることがよいとされています。水分の補給も忘れないようにしましょう。