問題解決 解析結果

【原因】

昼間元気に過ごせていますか。


大切なのは、「睡眠時間が長い=質の良い睡眠がとれている」ではないということです。そもそも必要な睡眠時間というのは、人によってさまざまで、3時間しか眠らなくても日中を元気に過ごせる人がいれば、9時間眠らないと足りないという人もいます。一般にいわれる「8時間睡眠説」は、多くの人の平均をとれば7~8時間くらいになる、ということです。その人にとって必要な睡眠時間は、「日中の活動に支障がおきない」時間と考えればよいでしょう。

睡眠時間が不足すると、体力や疲労の回復が不十分になり、日中の活動にも悪影響を与えます。そして、日中に活動的に過ごせないとまた夜間の睡眠の質にも悪影響を与え、睡眠と覚醒のリズムが弱まるという悪循環に陥ることがあります。睡眠と覚醒のリズムで昼夜のメリハリが弱くなると、体温や自律神経のリズムにも悪影響を与え、それによって体内のさまざまなところに影響があらわれます。

自律神経は、中枢神経からの命令を内臓に伝えています。この自律神経の命令は意識から離れた不随意的なもので、ほぼ正反対の動きをする交感神経系と副交感神経系がバランスをとって成り立っています。交感神経と副交感神経にもそれぞれ優位になりやすい時間帯があり、意識的には動かせない部分の活動を支配しています。
自律神経のリズムが乱れると、意識的に動かせないさまざまな部分のリズムや活動が乱れて、むくみや肩凝り、冷えなどの問題点が出ることがあります。

【対策】

自分に合った睡眠時間を確保しましょう。


質の良い睡眠を規則的にとって、身体の調子を整えるのが当たり前のようでも基本です。
自分に必要な睡眠時間を知るために、あなた自身の睡眠習慣を記録してみましょう。やり方は難しくありません。毎日の就床時刻と起床時刻を手帳やノートなどに記録していくだけでいいのです。これを約1ヶ月続けていけば、自分の睡眠パターンがつかめてきます。また、時刻を数字だけでなく、グラフにしてみると規則正しい睡眠習慣が取れているかそうか、朝型か夜型なのかが、わかりやすくなります。最近では、睡眠日誌のテンプレートや自動的に活動と休息のパターンを記録してくれる装置も実用化されています。これらを利用してみるのもいいでしょう。
できれば、就寝や起床の時刻を記録するときに、その日の調子などを書き込んでいくと、自分に必要な睡眠の量がわかるだけでなく、自分の生活習慣についてより多くの情報を得られます。

そして、あなたの睡眠-覚醒リズムを把握し、改善していきましょう。質の良い睡眠をとるためには、
? あなたに必要な睡眠時間を知って、その量に見合った質を確保する
? 毎朝同じ時間に起きて体内時計をリセットする
? 眠りに入る準備に適した室内環境をつくる
ことをポイントとしておさえましょう。

特に、忙しくて睡眠時間を確保できない、生活のリズムが不規則な仕事をしている、という場合には、就床前の環境と行動を工夫しましょう。就床前には、ぬるめのお湯で入浴し、身体に睡眠の準備を促すことや、寝室は寝室として眠る以外の用途で過ごさず、「寝るための場所だ」ということをしっかり頭に刻み込ませておくことなどが役に立ちます。
むくみが気になる場合には、足浴や寝る前の軽いストレッチなどが助けになります。それでも夜の睡眠時間の確保が不足して昼間の眠気が問題になるようなら、昼間の眠気がピークになるより前に、短時間(20分以内)の昼寝をとって夜間の不足を補うという方法も有効だとされています。