問題解決 解析結果
衣服で身体を締め付けていませんか。
血液やリンパの流れが悪いと、冷えや肩こり、むくみをはじめ、いろいろな問題点が生まれます。
また、普段身に着けている衣服は体に一番近い環境であり、健康にも大きな影響を与えます。体に合わないものや、気候や気温を考えない服は、心理的には満足できても生理的に適切ではない場合があります。
日中も体や気候・気温に適した服装を心がけることは健康に大切なことですが、特に、就床前や睡眠中には心身に余分な刺激を与えないようにするために、より大切になります。
まず、スムーズに寝付くためには、手足を温めることが必要です。人間は手や足など身体の末端から熱を出して脳や体中心部の温度を下げ、眠りに入るようになっているので、手や足が冷たいままではうまく眠れないのです。しかし、きつい下着やパジャマは、身体を締め付け、血液やリンパの流れを悪くします。そうすると、手足の毛細血管まで血液がめぐらなくなることで手足の冷えが起こったり、リンパ液の流れが悪くなることでむくみやすくなったりします。
締め付けのない衣服や下着を選びましょう。
眠りに就く前や、睡眠用にはできるだけしめつけのない下着や衣服を選ぶようにしましょう。
就寝時の衣服として求められる役割
・ ゆったりと過ごす
・ 湿度・気温などから身をまもる(冬は保温性・吸湿性、夏は通気性・吸湿・吸収性が求められる)
・ 洗濯に強い
形状としては、睡眠中に適した衣服形状に準じたものがよいと考えられます。
・ 眠る姿勢に合っている
・ 寝返りをうっても着崩れたり、身体にまとわりついたりしない
・ 身体への刺激となるような余分な装飾がない
・ しめつけがない
などの条件を満たしているものになります。たとえば、ズボンや下着のゴムも無意識のうちに影響を与える場合もありますので、ゆるめにするか、伸縮性のあるひもなどの工夫が必要となるでしょう。
さらに…
・ 軽いマッサージや軽いストレッチ
血液やリンパの流れをよくするだけでなく、筋肉をほぐす役割もあるので、疲労回復にも効果的です。
・ 保温用ソックス
普段から冷え性の人には特にオススメです。寝付くときには、足裏の発汗が増えるので、ソックスも足を締め付けず、蒸れないものを選んでください。また、大き目のサイズにしておくと足が暖かくなった後、無意識でも脱ぐことが容易になります。
・ 入浴・足浴・手浴
冷えの対策として、直接的に役立つ方法です。
それぞれの方法は以下のとおり。
全身入浴の場合は、38~40度のぬる目のお湯に10~20分ゆっくりつかることです。
足浴・手浴の方法は以下の通りです。
足浴:<足浴の方法>
くるぶしまですっぽり足の入る洗面器やバケツを用意します。熱めのお湯(全身入浴よりやや高めの温度)を洗面器やバケツに注ぎ、足を15分位浸します。冬場は、すぐにお湯がぬるくなってしまいますので、熱い湯を足しながら行います。また、足とバケツを覆うようにしてバスタオルをかけたり、バケツの中で足の指を「グッパッグッパッ」と閉じたり開いたりするとより効果的です。
足浴の効果で、体温や心拍数は大して変わりません。しかし、温熱により足の血管が拡張して末梢の循環がよくなり、足先で温められた血液が全身をめぐるので身体の内部を温めるのに役立ちます。足先は体の中でも血流量の比較的多い場所ですので、全身浴とまではいかないまでもある程度の温熱効果が期待できます。
手浴:<手浴の方法>
手首まで浸かる洗面器やボウルに、熱めのお湯(入浴時よりやや高めの温度)を注ぎ、手を10分位浸します。手の平や指のマッサージをしたり、好みで精油を使ったりするのもよいでしょう。精油を混ぜる場合は、1~3滴落としてよくかき混ぜてください。その時々の自分に合った香りを楽しむことは、自律神経の働きを介して血行促進を助ける可能性があります。
足浴も手浴も、途中でお湯がぬるくなったときには、熱めのお湯を注ぎ足してください。また、足浴に役立つ器具も実用化されていて、保温機能があれば、お湯を足す手間がいらず、便利です。
また、日中もなるべく締め付けのきつくない下着や洋服を選ぶ方が勧められます。特に女性はヒールの高い靴やつま先の狭い靴を履く機会が多い場合もあると思いますが、靴もできれば、ヒールの低い、つま先の広いものを選ぶことが勧められます。自分の足と合わない靴はむくみや冷え以外にも、足の変形や全身の姿勢にも影響してくるので慎重な靴選びをこころがけましょう。