問題解決 解析結果

【原因】

起きた後でも、暗い部屋の中で過ごしていませんか。


人間の一日のリズムは体内の生物時計のしくみによって規則的に動かされ、時刻の手がかりのない環境では、多くの場合24時間より長めの周期となります。これは、外部から遮断された場所での生活実験などで確認されています。
一方、わたしたちの日常生活では、体内時計に対して、1日を24時間に合わせるための様々な脳への刺激が与えられます。朝の光や社会的な約束事もリズムの周期を24時間に合わせる刺激の一部です。特に光は、生活リズムに大きな影響を与えていることが多くの研究で明らかにされており、目から入った光が脳を覚醒させる作用が、朝の生活行動をスムーズに始めるために重要です。起床したときに部屋が暗いままだと、対する覚醒刺激が足りずに、目覚めた後になかなか動き出すことができないのです。

また、深い眠りの状態にあるときに、目覚まし時計やお母さんの声で無理やり起こされた場合、朝モードまで脳を活性化させるのに時間がかかり、なかなかスムーズに目覚めることができません。

【対策】

起きた後、できる限り明るい環境で活動することをこころがけましょう。


起きる前からも、徐々に光が入るように環境を整えることも必要かもしれません。
対策としては、まず「徐々に部屋を明るくしながら起きる」。こうすることで、「深い眠り」から「浅い眠り」へ無理なく導かれ、スムーズに目覚められます。次に「起きたら強めの光を浴びる」。
さらに、目覚めた直後に明るい光を目に入れると、体内時計がきちんとリセットされ、脳の活動レベルやホルモン分泌を朝モードに切り替え、「きちんと起きている」状態になります。
特に起きたときに部屋が暗い状態だと、しっかり覚醒できずにぼーっとしたまま、午前中を過ごすことにもなりかねません。太陽の光など十分な量の光を部屋に取り入れることで脳を朝モードにしましょう。
光の助けを借りてスムーズな目覚めを迎えたい場合には、「自然の光を取り入れるか」、「人工的な光を作るか」のどちらかになります。まず、「自然の光を取り入れる」。寝室に朝日が入るようにしておけば、徐々に部屋を明るくしてくれます。朝起きるのが早い人なら、カーテンを遮光性や分厚いものではなく、光の通りやすそうな薄目のものに変えてみましょう。

しかし、24時間社会といわれる現代では、交代勤務をされている方、夜間勤務をされている方も多くいらっしゃるでしょう。また、外の環境の影響でカーテンや雨戸を閉め切った部屋で寝なければならない場合もあるでしょう。そのようなときは朝日を利用できません。そこで「人工的な光を作り」ましょう。今では、セットした起床時刻にかけて徐々に室内を明るくしてくれる照明も実用化されています。この照明のすごいところは、人工的に「朝日の環境」を再現してくれることです。
自然の朝日にしても、人工的な朝日にしても、大切なことは「徐々に明るくなって自然に起きる」、「起きたら明るい光を目に入れて体内時計をリセットする」ということです。