問題解決 解析結果

【原因】

目が疲れているせいで、身体が疲れていませんか。


厚生労働省による労働者に対する健康状況調査では、全体の72%の人が仕事で身体に疲れが出ると答え、その部位は目という回答が一番多い、という結果でした。原因としては、目を酷使する場面の増加が強く考えられます。オフィスで日中パソコンのディスプレイと向き合い、家に帰ってからもパソコンを使ったり、テレビをみたり・・・。

これらの生活が目の疲れを通してどのような悪影響を身体に与えているかというと、頭痛・肩凝り・むくみの大きな原因である血行不良や自律神経系の活動の乱れを引き起こしたり、外見的にも姿勢が悪くなったり、眉間にしわができてしまったりということが考えられます。
では、なぜ目を酷使すると、このような問題点が発生するのでしょうか。
角膜の乾燥
パソコンなどのディスプレイを注視すると瞬きの回数が減ることにより涙の補給が十分に行われず、目が乾燥します。涙の役割は不純物の除去、栄養分の補給、眼球の乾燥防止です。涙が補給されず、眼球表面の保護機能が低下します。
近年では、家庭にもパソコンが普及し、夜間にディスプレイを注視する機会も増えました。夜間には涙の分泌量が減りますので、ディスプレイを注視すると昼間よりも目が乾燥しやすくなります。

目の周りの筋肉の緊張
何かを集中して見続けていると、眼球周辺の毛様体筋という、目のピントをあわせる筋肉が緊張が続くことにより疲れてしまいます。毛様体筋の疲れをきっかけとして、また、同じ姿勢をとり続けることによって、首、肩の筋肉も緊張が続き、血行不良から肩凝りや頭痛を引き起こす原因となることがあります。

紫外線
目の疲れの原因としては、目の酷使以外にも紫外線の影響考えられます。紫外線は目の表面の角膜や結膜にダメージを与えるといわれており、長年わたり紫外線を浴び続けると白内障の原因になるともいわれています。

その他、疲れ目自体がストレスとなって自律神経系の活動が乱れ、身体のさまざまなところに影響を及ぼし、さらに血行が悪くなる、自律神経系が乱れる、などの悪循環に陥ることが考えられます。
さらに、疲れ目以外にも気をつけたいことが作業中の姿勢です。目が疲れてきたり、ディスプレイの細かい字を見ようとして姿勢が悪くなっていませんか?姿勢の悪さも血液やリンパの流れを邪魔して、肩凝りやむくみの原因となります。

【対策】

仕事をする環境を整えましょう。


パソコンやテレビのディスプレイを注視すると、まばたきの回数は減ります。長時間見続けなければいけないときや細かい作業を続けるときには、意識的に目をぎゅっと閉じたり、目玉を動かしたりして目の周りの筋肉を時々動かしてください。目が疲れたと感じたら、顔を軽くマッサージしたり、目を閉じて少し冷やすことも疲労回復に役立つと考えられます。


また、作業環境を整えることも大切です。

作業をする部屋の明るさを確保することで、目の負担を軽くしましょう。昼間については、オフィスでは、750lx以上、細かい作業を必要とする場合は1500lx、家庭で勉強や読書をする場合は500lxから1000lxの明るさがいいとされています。しかし、これらの明るい照明の下でも長時間作業することは、目の負担にもなります。2~3時間に一回は休憩をいれることを忘れないようにしましょう。夜間については、目の疲れだけでなく、体内時計への悪影響も考えなくてはいけないので、明るすぎる環境で長時間作業することは避けて下さい。

次に、ディスプレイと周囲の光の関係も重要です。周りからの光がディスプレイで反射したり、周りの明るさとディスプレイの明るさがあまりに違ったりすると、ディスプレイが見づらくなり、目に余分な負担をかけます。フィルターを貼ることや、部屋の照明を適度に明るくして使用するようにしましょう。
また、乾燥を防ぐ方法として、ディスプレイの配置を目線よりやや下に設定しましょう。視線を下にすることで目の見開きを少なくし、乾燥を防ぎます。理想的な位置は、水平視線から、上方5度、下方15度が理想とされています。冷暖房による部屋の乾燥も目の乾燥に影響します。ときどき窓を開けたり加湿器を使ったりして部屋が乾燥し過ぎないようにしましょう。目薬を携帯しておくのもおすすめです。
紫外線対策としては、日中、外へ出かけるときは、サングラスやUVカットレンズのメガネを利用し、紫外線から目を守りましょう。
また、良い姿勢で作業できるよう、デスク周りの環境を整えることも大切です。望ましいとされている姿勢は、肘を下げ、前腕を水平近くに保持し、胴体は直立姿勢の状態とされています。最近では姿勢を保持するための椅子やPC関連グッズがたくさん出ています。これらのツールをうまく活用して疲れをためずに作業できる環境を工夫しましょう。